ぼくの親父のおばさん(86)が、親戚の土地をいろいろ預かっているというので、親父といっしょに親父のおばさんの家に行ったんだ。後からぼくのおじさん(親父の弟)も来た。
このおばさんの家に上がるのは35年ぶりくらいだった。ぼくが小さいとき、この家でファミコンのドンキーコングジュニアをしたのだった。
土地の権利証とか契約書とかを出してもらって、いろいろあちこちに土地があったのだが、その中で、うちの市内の土地が出てきた。
100坪の原野を、ぼくの死んだじいさんと、ぼくの親父のおじさんおばさんたちが7人で共有していた。すでに3人死んでいる。昔の土地によくある、ごちゃごちゃとセンスのない登記がされているわけだ。
後日、市役所に行って名寄帳を取った。
土地の評価額が1,000円くらいだった。
ぼくの死んだじいさんの持分は21分の2である。
相続登記が義務になったといっても、はっきりいって、こんな土地は放っておく方がいいような気がしてならない。
だれも知らない北の大地をひとつひとつ掘り起こして、いちいち共有者の相続人を調査して、相続登記をしていない相続人ひとりひとりに過料を請求するなんてことが、現実に起こりうるのだろうか。
相続登記をするのは大変だし、司法書士に依頼すると10万円くらいかかるわけだが、ぼくは司法書士なので、とりあえず、死んだじいさんの持分21分の2について、相続登記をやっておくことにした。
続く。