封印された登記ファイナル

f:id:ad7_hu:20231125115338j:image

「封印された登記3」の続き。

猛暑が続いたある夏の日、私は地元の裁判所にいた。

裁判所には行きたくなかったのだが(擬制陳述)、裁判所から出頭するように言われていた。

空調はまったく効いていないようだった。

顔なじみの裁判所書記官、特別代理人の弁護士の順に臨場した。私は媚を売るような卑屈な笑顔で会釈をした。

裁判官が降臨したので、一同立ち上がって礼をした。

閣下は書記官殿としばし書類のやり取りをした後、仰せになられた。

「書面のとおりですか」

「終わります」

形式的に短時間で終わる裁判のことを何と呼んだだろうか、みこすり半劇場だったか。

異議あり!裁判長、被告は本件について何ら審議を尽くしていない!」

「異議を却下します」

「次回は何月何日何時です」

「然るべく」

空調はまったく効いていないようだった。

次回の何月何日何時は行かなかった。

判決から2週間くらい後、判決の確定証明書を請求して、封印された根抵当権の登記を抹消した。

あの夏、簡裁代理権をつかった海。

にほんブログ村 士業ブログ 司法書士へ

PVアクセスランキング にほんブログ村